先日、AppleはApple Musicを6月からロスレス化することを発表しました。見えてくる問題を挙げていきたいと思います。

AirPodsとの関係

 Apple Musicがロスレス化において使用するコーデックはALACだそうです。一方、AirPods、AirPods Pro、AirPods Maxが対応しているコーデックはSBCとAACのみです。よって、現時点ではこれらのデバイスではロスレス化の恩恵を受けることができません。
 Jon Prosser氏のリーク情報によると、AirPodsシリーズは今後のアップデートでApple独自のロスレスコーデックに対応するということです。HomePodは近日中の対応が発表されたので、少しだけ期待したいと思います。わたしはAirPods Proを発売直後に購入し、1日平均3時間以上はつかっているのでそろそろバッテリーが心配です。新しいAirPodsが出ても嬉しいです。

Macでの再生

 MacのApple Musicにおける再生エンジンはQuickTimeです。わたしの知るMacではずっとそうなのですが、QuickTimeは再生時のノイズが多く、お世辞にもロスレス再生を求めるユーザーの要求を満たす再生エンジンとは言えません。iTunesが廃止される以前から、より良いリスニング環境を求めてAmarraやAudirvana、BitPerfect、Decibelなどの再生エンジンに移行していたMacユーザーも多いと思います。しかし、Apple Musicではこれらの再生エンジンを通すことができません(わたしの知る限りは)。
 また、macOSはオーディオ信号処理にCoreAudioを使用しています。CoreAudioはエフェクトの付加やエンコードの機能を持ちますが、そのために浮動小数点計算を必要とします。そのため、CoreAudioでの処理において、小数点以下の数値を含む値を出力すると、小数点以下が切り捨てられるため、結果として音質が劣化してしまいます。これを防ぐために、上に挙げた再生エンジンの多くはCoreAudioをスキップし、整数値をDACに直接出力するインテジャーモードに対応しています。
 しかし、インテジャーモードによってmacOSのバグが頻発したため、OSX 10.7(Lion)よりこの方法が使えなくなりました。これについてはmacOSの今後のアップデート次第で状況は変わると思われます。WWDCに期待したいと思います。

まとめ

 現状アーティストフレンドリーなOSとしての地位を確立しているmacOSにとってApple Musicのロスレス化・再生環境の向上はAppleの急務だと思います。Apple Musicは音楽ストリーミングサービスのゲームチェンジャーとなれるのか、注目を続けたいです。